皆さん、音楽業界の根本を変えるかもしれない新領域のNFT「ミュージックNFT」をご存知でしょうか?恐らく多くの方にとって聞き慣れない単語かと思います。
現状、日本では「Music NFT」という英語の和訳すら固定化されておらず、人によっては”音楽NFT”、”NFTミュージック”など様々な訳し方をしているぐらいには浸透していません。
今回は、そんな最先端のNFTジャンル「ミュージックNFT」の概要と実例について解説していきます!
ミュージックNFTとは?
ミュージックNFTは、音楽と結びついたNFTのことです。
これだけだと分かりにくいと思うのでもう少し詳しく解説しますね。
まず、NFT(non-fungible token)はブロックチェーン上に記録される唯一無二の暗号化トークンです。唯一無二ではありますが、NFTは、それ単体では単なる替えの効かないトークンでしかありません。
デジタルアセット(画像や動画ファイルなど)とリンクさせることで、皆さんに馴染みのある「NFTアート」のような目に見える形となります。
NFTは、画像や動画に限らず様々なメディアファイルとリンクさせることが可能です。もちろん、音楽ファイルとリンクさせることも出来ます。
つまり、音楽ファイルと結びつけたNFTのことを、ミュージックNFTと呼ぶ訳ですね。
ミュージックNFTの種類
ミュージックNFTには、大きく分けて2種類存在します。それぞれの利点と活用方法について解説していきますね。
1/1NFT
1/1NFTは、名前の通り世界に1つしか存在しない唯一無二のミュージックNFTです。
人気ミュージシャンが他では聴けないオリジナルの曲を1/1NFTとして販売したら、かなりの高値が付きそうですよね?
人気アーティストが、単体作品として仕上げたNFTと同じように希少性があるので、一点物の絵画のように高値で取引される傾向があります。
オープン・エディション
同じ音楽ファイルと結びつけたNFTを大量発行するのがオープン・エディションです。
もちろん無限に発行する訳でなく、何日〜何日の期間限定販売や10,000個の限定販売のように、期間や数量に制限はかかります。
1/1NFTと比べて値は落ちますが、オープン・エディションの方が活用幅は広く、例えばNFTホルダーにライブのチケット先行購入権を与えたり、ホルダー限定ライブを開催したりと、NFTならではの利点を活かすことが出来ます。
ミュージシャンにとってのメリット
ミュージックNFTの活用はミュージシャンに取ってもメリットがあります。
まず、NFTとして販売することで、ミュージシャンはアマゾンミュージックやSpotifyなどの音楽配信サイトで配信するよりも高配分で収益を受け取ることが出来ます。
正確な数値は出ていませんが、音楽配信サイトで1再生されてもミュージシャンには1円にもまったく満たない微々たる金額しか入りません。
それに対して、NFTであれば販売収益の多くがそのままミュージシャンに入りますし、二次販売(転売)が行われた際にも、予め設定した分のロイヤリティ(手数料)が毎回アーティストに入るので継続的な収入になり得ます。
また、NFTホルダー限定のライブを行うなどして、コミュニティの強化を図ることも出来ますし、発行したミュージックNFTに付加価値的な魅力を持たせれば持たせるほど、市場での取引も活発化して、知らなかった人の目に留まり新規ファンの獲得に繋がるなど様々なメリットが考えられます。
ミュージックNFTの実例
最後に、話題となったミュージックNFTの実例をいくつか見ていきましょう。
ホイットニー・ヒューストン氏の1/1ミュージックNFT
2021年12月14日、過去6回のグラミー賞受賞歴のある人気アーティスト、ホイットニー・ヒューストン氏が17歳の時に録音した未発表の音源が1/1NFTとしてオークションに出され、$999,999(約1億3500万円)で落札されました。
落札者は特典として、OneOfVaultにある未聴の全曲デモ未発表の音源を聴ける他、17歳の天才アーティスト、ダイアナ・シンクレア氏が作成したデジタルアートワーク&ビデオにアクセスすることが出来ます。
故人である世界的ミュージシャンの1/1NFTということもあり、かつてない高額での落札となった実例でした。
小室哲哉氏のミュージックアルバムNFT
2022年7月22日、日本の代表的音楽プロデューサー、小室哲哉氏の未収録デモ曲全18作品を収めたミュージックアルバムNFTがオークション形式にて販売されました。
販売数は計18点・各1点とかなり少なく、オークションは30,000円から開始されましたが、すべて10万円以上での落札となりました。
初回購入者には、未発表楽曲データのダウンロード権限に加えて、小室哲哉氏による「TK手書きTrack Sheet」の実物がプレゼントされたとのことです。
日本のアーティストがミュージックNFTを活用して成功した実例として、今後展開していく際の参考になりそうですね。
ミュージックNFTのまとめ
今回は、今後音楽業界の販売方式やコミュニティのあり方を変えるかもしれない可能性を秘めた「ミュージックNFT」について解説しました。
まだまだ、国内外問わずミュージックNFTは普及していませんが、今後上手く活用して名をあげるミュージシャンが出てくるかもしれないと思うと時代の変化にワクワクしますね。
期待できるミュージックNFTのプロジェクトが出てきたら、当サイトでも発信しますのでぜひ定期的に覗いていただけますと幸いです。
それではご精読ありがとうございました!