日本における中央銀行デジタル通貨(CBCD)導入の可能性を考える

こんにちは!あるくです。

2022年7月20日のAsia Timesの記事にて、日本銀行は日本国民の関心がないことを理由に「中央銀行デジタル通貨(CBDC)」の提供を現状は考えていないということが記載されていました。

そこで当記事では、日本におけるCBCD導入のメリットや導入への課題を踏まえて、今後導入の可能性はあるのか考えていきたいと思います。

中央銀行デジタル通貨(CBCD)とは?

「中央銀行デジタル通貨(CBDC:Central Bank Digital Currency)」とは、
①デジタル化されている
②円などの法定通貨建てである
③中央銀行の債務として発行される
という3つの条件を満たしたデジタル通貨です。

CBCDは必ずしもブロックチェーン上に存在させなければいけない訳ではありませんが、現状世界で発行されているほとんどがブロックチェーンの技術を用いて発行されています。

ちなみに、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨や電子マネーなどもデジタル通貨に分類されますが、上記3つの条件を満たしていないのでCBCDではなく、あくまでデジタル通貨の一種になります。

中央銀行デジタル通貨(CBCD)導入のメリット

CBCDの導入には様々なメリットがあります。その中でも、特に恩恵を受けられるのは、国家側です。

皆さんご存知の通り、紙幣や貨幣の発行にはお金がかかるため、通貨をCBCDに移行させることができれば製造・流通コストなどを削減できます。

また、日本銀行から利用履歴を把握できるようになるため、脱税やマネーロンダリング、黒い組織への送金制限など、犯罪抑止効果も期待できるでしょう。

利用履歴のデータを企業がマーケティングに活用して、経済の活性化を狙うこともできそうですね。

もちろん、私たち国民に取ってもメリットはあります。

まず、利用履歴が管理されるため、納税手続きは格段に楽になるはずです。

また、現金を持ち歩く必要がなくなるので紛失・盗難のリスクなども無くなります。ただし、PayPayのような電子マネー決済が普及しつつある現状、紛失・盗難リスクについては今とあまり変わらなそうな気がしますね。

以上のようなメリットを踏まえて、中国やスウェーデンでは本格的にCBCDの導入を検討しているようです。

中央銀行デジタル通貨(CBCD)導入の課題

CBCDを導入するには、いくつかの課題があります。

まず、国のデジタル通貨として発行する以上、絶対的なセキュリティレベルを確保しなければいけません。ブロックチェーンの技術を用いたといえど、1つでも穴が見つかってしまえば国民の資産すべてが盗難リスクに晒されます。

絶対的に安全だと言えるほどのセキュリティレベルを維持しつつ、超高速に何億件もの決済を処理できるシステムを作り上げるのは、かなりハードルが高いです。

また、日本の商習慣を変えることは想像以上に難しいと思います。はっきりと予想はできませんが、必ず何かしらの問題が発生することでしょう。

そして個人的に一番の課題だと感じているのが、日本国内すべての店舗でのCBCD決済の導入です。

PayPayなどのQRコード決済やクレジットカードなどと違い、国の通貨として発行する以上、”CBCD決済を導入しない”という選択肢はあり得ません。

しかしながら、多くの方が感じているように電子マネーが普及してきた今でも日本はまだまだ現金社会なところがあり、電子マネーやクレカだけではなかなか生活しにくいのが現状です。

国がCBCDを発行しますと言ったところで、どこに行っても現金のように使えるデジタル通貨を生み出せるビジョンが見えないのが正直な所です。

今後の導入の可能性について

中央銀行デジタル通貨(CBDC)を導入することのメリットと課題を整理した結果、私個人としては日本にCBCDを導入するのは少し無理がありそうだなと結論付けました。

もし導入するとしても、令和以降のデジタルネイティブな世代が大人になる何十年後の話になるのではないでしょうか。

例え、今の段階で日本銀行が技術的なハードルを乗り越えてCBCDの発行に漕ぎ着けたとしても、ついていけない世代の方があまりにも多い気がします。

とはいえ、CBCD導入によってお金に関わる犯罪を減らせるのも事実です。

今後、世界的にCBCDの導入は進んでいくでしょうから、他国の導入結果などを踏まえて、本当に必要な時が来てから日本での導入を検討すれば良いのではないかと思います。

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